雨宿りの軒下で、仮面が剥がれた瞬間
婚活では、どうしても「良い印象を与えなければ」と思ってしまうものです。
そのため、お見合いや初デートでは、お互いに少し背伸びをしてしまうことも少なくありません。
しかし、時には思いがけない出来事が、二人の距離を一気に縮めてくれることがあります。
今回は、そんなちょっとしたハプニングがきっかけで生まれた、心温まる実話のエピソードをご紹介したいと思います。
完璧でいようとする二人が、ほんの少しだけ素の自分を見せ合えた瞬間。そこから、本当の関係が始まったお話です。

緊張感に包まれた「完璧な初デート」
男性会員様は、真面目で少し慎重派。
一方、女性会員様は、お淑やかで品のあるタイプの方でした。
お二人とも、お見合いの席では「失礼のないように」と、とても丁寧なやり取りをされていました。
まさに、非の打ち所がないほど礼儀正しいお二人だったのです。
そして迎えた初デート。
場所は、お洒落なカフェでのランチでした。
ところが、お互いに**「相手に嫌われないように」**という気持ちが強く、背筋を伸ばしながら、慎重に話題を選んで会話を進めていく。
その結果、どこかぎこちなく、少し硬い空気が流れていました。
もちろん、決して悪い時間ではありません。
ただ、お互いに少しだけ「頑張りすぎている」ような、そんな雰囲気があったのです。
突然の土砂降りと、必死の雨宿り
ランチを終えて、駅まで歩き始めたその時でした。
予報にはなかった激しい夕立が、突然二人を襲ったのです。
近くに雨を凌げる場所がなく、二人は思わず近くの古い商店の軒下へ飛び込みました。
男性会員様は、自分のジャケットを脱ぎ、女性会員様の肩にそっとかけます。
そして、
「すみません、傘を持ってくるべきでした……!」
と、申し訳なさそうに頭を下げました。
一方の女性会員様も、丁寧にセットしていた髪が少し濡れてしまい、困ったような表情をされていました。
先ほどまでの「完璧な初デート」の雰囲気とは、少し違う空気が流れ始めます。
「完璧な二人」から「等身大の二人」へ
その時です。
雨音に混じって、女性会員様のお腹が
「グゥ〜」と、大きな音を立てて鳴ってしまったのです。
さっき豪華なランチを食べたばかりなのに。
一瞬の沈黙。
女性会員様は顔を真っ赤にされました。
ところが、その様子を見た男性会員様が、堪えきれずに
「……ふふっ」
と、思わず吹き出してしまったのです。
そして、少し照れながらこう言いました。
「実は……僕も、緊張して味があんまり分からなくて。
なんだか、お腹空いてきちゃいました」
その言葉を聞いた瞬間、女性会員様の緊張も一気に解けました。
「私もです!
お洒落なお店すぎて、全然食べた気がしなくて……」
そこから二人は、雨が上がるのを待ちながら、軒下でたくさん話をしました。
「実は牛丼が大好きなんです」
「ラーメン屋巡りが趣味なんです」
そんな、**プロフィールには書かなかった「本当の自分」**の話です。
先ほどまでの堅い空気はすっかり消え、二人は肩の力を抜いて自然に笑い合っていました。
完璧よりも、少しの「人間らしさ」
このお二人は、その後トントン拍子に交際が進み、成婚退会されました。
もちろん、婚活では礼儀やマナーはとても大切です。
しかし、条件やマナーを完璧にこなそうとするだけでは、なかなか心の距離は縮まりません。
むしろ、こうしたちょっとした失敗やハプニングの中で、お互いの素顔が見えることがあります。
そして、その瞬間に
「この人といると楽だな」
「この人の前なら自分らしくいられるな」
そんな気持ちが生まれることも少なくないのです。
結婚相談所の出会いは「条件」から始まる。でも…
結婚相談所の出会いは、最初こそプロフィールという「条件」から始まります。
しかし、その先にあるのは、
こうした人間臭くて、温かくて、愛おしい一対一の出会いです。
ですから、婚活では完璧な自分を演じる必要はありません。
むしろ、ほんの少しの不器用さや、ちょっとした失敗。
そうした**「不完全さ」こそが、人の魅力になることもある**のです。
あなたのその不完全さを、
「愛おしい」と思ってくれる人が、きっとどこかにいます。






